父と車ではじめて話した話

車内から見た運転席の写真

実家へ帰省したとき、父の退勤時間に合わせて車で一緒に帰宅しました。

いつもは後部座席に座っているだけ。難聴となってから20年ほど。車で話をしたことはありませんでした。

「お迎えありがとう。」だとか「今日寒いね。」とか乗る前に声をかけて父がうなずき、なにか用事があれば出発する前に筆談してから運転をはじめる形です。運転中は危ないので話をしたことはありません。

しかし、この前はじめて運転中に話をしました。お互い同じ音声認識アプリ(Group transcribe)を開き父のスマホは助手席に、私のスマホは自分の手に。Bluetoothを使い近くで開始された「会話」が自動で表示されるため、「参加」ボタンを押すと片方のスマホから入力された音声をもう片方のスマホにも表示できます。

運転をはじめる前に父は「開始」ボタンを、私は「参加」ボタンを押すだけ。そのあと父は運転しながら、私は認識された文字を見ながら普通に会話してました。


「昨日は休みだったの?」

「ううん、昨日で終わって今日は昼から友達と会ってきた。話したことあったっけ、○○くんと」


「いつまで休みなの?」

「1月4日まで」

「そうなんだ。まあ普通だね。その間が休みの会社が多いよね。」

「お父さんは?」

「31日まで仕事」

「まじで!他の人もそうなの?」

「お店も配達も31日までやってるからそういうのをみんなで手伝いに行くの。」


「ちょっとセブンイレブンよるね」

「わかった。俺も行く?」

「車いていいよ」


他にもいろいろたくさん話せました。

実家だと母もいるので、父と2人だけで話す機会は本当にめずらしく、車で二人で話すことができるなんて驚きです。

聞こえなくなっていった小学生から高校生の頃は、運転席に座っている両親と話すことなんて物理的に不可能だと思ってましたが、今再びやりとりできるようになりました。感慨深いです。

将来に絶望し悲観的な未来が浮かぶばかりでしたが、こんな未来も来るとは。久々の実家ですてきな時間を過ごせました。よかったです。

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