【説明資料付き】職場の同僚に合理的配慮のお願いをする時意識したいこと

職場での合理的配慮のお願い

社会人となり働きはじめて2週間がたちました。2週目の土曜日にこの文章を書いています。

2週目は同じ部署内の集まりで私が職務を行う上でお願いしたい合理的配慮を同僚に説明する機会がありました。今後の働き方とも直結する大事な機会です。

職場の同僚にお願いする際に重要だと考えたことを、備忘録として書いておきたいと思います。社会人なりたての若輩者ですが、参考になる情報がありましたら嬉しいです!

1週目に書いた記事はこちらです。

社会福祉法人への新卒入社1週目社会福祉法人へ新卒で入社して 1週目の感想

説明の機会は自ら相談して作る

お願いしたい合理的配慮を同僚と共有する機会は、自ら動いて作らなければなりません。

会議で話してほしいと上司から話があるならよいかもしれません。しかしその場合、いつ何をどの程度の時間で話したいのか事前に考えをまとめておかないと不本意なことになってしまう可能性があります。

何をどの程度共有しておきたいのか事前にある程度まとめ、自分から上司に相談することでやりやすいタイミングや時間に話をすることができました。

私がある程度考えていたのは、

  • お願いしたい合理的配慮の内容
  • 話をするタイミング

の2つです。入社式や会議などでお願いしたい合理的配慮は入社前にまとめて伝えていましたが、実際に部署に配属され業務を始めてから気づくこともあります。

同僚にどんな人がいるのか、手話ができたり聴覚障害の知識がある人はいるのかなど、職場環境によっていつどのように合理的配慮を伝えるか考えていました。

簡潔でわかりやすい資料を作る

会議で同僚に配布する資料を作成する必要があります。

一度の説明ではわかってもらうことはできません。資料を配布しやりとりを重ね、わからないときはいつでも資料をもう一度確認できることが大切です。

同僚が、

  • 「彼に伝えたいことがあるのだけど、どんな配慮が必要だったかな」

と考えたタイミングで資料が手元にあればお願いした方法で伝えてくれるかもしれません。

しかし確認できず思い出せないと、また次の機会でよいかとなってしまいがちです。

障害者差別解消法が施行され民間企業でも合理的配慮は努力義務となっています。コンプライアンス(法令遵守)の面でも合理的配慮の存在は少しずつ共有されるものとなっており、間違えると怖いため関わらないなんてこともあるかもしれません。

その分今はお願いしたい内容をわかりやすくまとめ、いつでも確認できる形にしていく必要があると感じました。

私が作成し同僚の皆さんに配った資料です。

職場で同僚に自らの障害に関する合理的配慮について説明した資料

聴覚障害者への接し方について
※聴覚障害者全般にあてはまるものではなく特に◯◯の場合と考えていただきたいです

【日常的なこと】

1.声をかける時は視界に手が見える様に振っていただくか、後ろから肩をたたいていただきたいです。遠くにいる場合は、私の近くにいる人に呼びかける形で気付くことができます。

2.コミュニケーション方法は手話または筆談が一番確実、正確に理解出来ます。次に簡単な手話と口話を組み合せた方法がわかりやすいです。口話のみの場合、静かな環境で大きくはっきりと適度なスピードで話していただくと理解出来やすいです。しかし次項の3で詳しく書いてある様に環境によって非常にばらつきがあるため、状況に合わせて筆談や音声認識を組み合せてやりとりをお願いしたいです。
 また簡単な手話と口話、口話でやりとりする際は、正確に話を把握できているか確認するため頻繁に話の内容をくりかえして口に出すようにしています。ご理解ください。

3.どのていど聞き取れるかについては、周囲の環境によって非常にばらつきがあります。電話の着信音や話し声など音の存在自体は人工内耳を装用していることによっていつでも聞き取ることができています。しかし、「こんにちは」「今から朝礼をはじめます」など具体的な聞き取りができるかは周囲の環境によって異なります。周りが静かで口が見えていたら読み取れる確率は半分以上ですが、電話や話し声、環境音があると半分以下になります。 また立ち続けながら聞くと集中できないため、座った状態の方が聞き取りができます。

4.高校生の頃に聞こえなくなったため発音に問題はありません。聞き取りづらいときはいつでも指摘してください。

5.電話を通して私の業務で共有すべき情報がありましたら教えていただきたいです。

6.疑問に思ったことは何でも尋ねてください。

【足の状態について】

1.日常的に杖を使用しています。 使用目的は転倒防止と正しい歩き方をするための補助です。

2.エレベーターがあるときは利用していますが、ない場合は手すりを使って昇降しています。手すりがない階段は補助がないと難しいです。

3.10分以上立ち続けることが難しいです。その場合は椅子を用意にご協力お願いしたいです。

4.車の運転は手動の運転補助装置をつけることで運転できると思いますが、まだこの装置を使って運転したことはありません。

5.耳のことも含め4ヶ月に1度定期的に大学病院へ通院しています。

今後業務を進めていくにつれ新たな課題も出てくると思っています。その際はその都度ご相談させていただきたいです。よろしくお願いいたします。

ポイントは、

  • 見やすいようA41枚にまとめる
  • 可能な限り曖昧にしないでシンプルに書く
  • 障害の内容ではなく働く上でお願いしたい配慮を中心に書く

ことです。先輩職員の同僚に視覚障害の方がおり、その方がすでに合理的配慮の資料を作成していたのでわかりやすいよう形式をそろえています。

大切なのは障害の内容ではなく業務を行っていく上でどのような配慮をがあると十分に自らの力を発揮できるか伝えることです。

職場によって業務内容やそれによって生じる行為は異なります。

対面でのやりとりが多いのか、電話はあるのか、運転する機会はあるのか、自分の職場の特性を把握しそれに対応する資料を作成しましょう。

私は部署に手話ができる人がおり、その他かんたんな手話ができる方とまったく知識もない方がいました。そのため、

  • 手話と筆談が一番正確に伝わる方法であること
  • 次にわかるのがかんたんな手話と口話であること
  • かんたんな手話と口話で話すときは、確認のため頻繁に聞き返すこと

を中心に伝えました。また、聴覚障害に加え体感機能障害で杖を使っているので、それについても書いています。

就職活動でも自らの障害について説明する書類を作成しましたが、求められるものが違うと考えすべて作り直しました。

就職活動で使った自らの障害について説明した写真
就職活動で提出した書類

就職活動の時に使ったものをみると、障害や身体障害者手帳の内容、日常の聞こえ方など業務をする上ではあまり関係なく、同僚には共有したいほどではない病気の名前なども載っています。

チームで業務にあたるため何を共有し、何を共有しないのか自ら判断することが大切でしょう。

説明するときは実演付きで

作成した資料をもとに同僚にプレゼンします。

プレゼンテーションしている様子

プレゼンでは資料に書ききれなかった細かい点や、業務には直接関係ない障害の内容などよりわかりやすく伝わるように意識しました。

またできるかぎり実演を添えると、お願いしたい内容を具体的にイメージしやすいです。

人工内耳がどのようなものなのか見てもらったり、音声認識アプリで話をする流れなど実際にやってみることで、関わりのハードルは下がります。

筆談をする機会が多そうなら、筆談のやり方を説明するのもよいと思います。特に

  • 一言一句すべて書く必要はなく単語やキーワードでも十分に伝わること

は筆談をよくする人にとってはあたりまえでも、普段しない人にとっては意外と盲点になりがちです。筆談に大変なイメージを持っている人も、これを話すことでやってみようと思ってもらえるのではないかと。

実際その日のうちに実演した方法を使って話してくださる人もいました。

なんでも質問しやすい雰囲気を作る

プレゼンが終わると「何か質問はありますか?」と聞くと思います。

しかしたいていは何もありません。なかには気になることはあるけども、聞いてよいのかわからない人もいるでしょう。

そのため「趣味でもはまっていることでもなんでも聞いてください!」みたいにユーモアまじえて話したり、上司に何か質問してもらえませんかと事前に相談しておいたりするとよいかもしれません。

一度質問されると続きやすいですし、個人でも聞いてもらえやすくなります。

学生とは違う考え方

今回の出来事を通して、大学生との違いを実感しました。

大学で合理的配慮のお願いをするときは

  • 友人や先生とのコミュニケーション方法
  • 授業(講義、実習など)での情報保障

が中心でした。しかし職場ではチームで働き成果を出していくために必要な合理的配慮を考え求めていかなければなりません。

大学時代の経験を生かしつつも軸となる考え方を変えていく必要があると考えました。

まだ入社したばかりでお願いした合理的配慮以外にもこれから出てくる課題も絶対にあると思います。1人で抱えるのではなく友人や同僚、上司へ相談しながら力を発揮できる環境を整えていきたいです。

職場でしている工夫はそれぞれあると思います。ぜひこんな方法があると教えていただけたら嬉しいです!

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